【新機能紹介】Tableau 2023.1
2023年3月にTableauの2023.1バージョンがリリースされました。
今回はTableau DesktopやTableau Server、 Tableau Cloudなどを中心に多くの機能が追加され、Serverについては2022.4の際の機能などが追加されたようです。
Tableau Desktop 2023.1 リリースノート
詳細について紹介していきます。
バージョンアップ概要
以下、機能の一覧と対応ソフトウェアを記します。
機能概要 | 対応ソフトウェア |
---|---|
Accelerator Data Mapping | Desktop |
Tableau for Slack の機能強化 | Cloud |
動的な軸タイトル | Desktop, Server, Cloud |
Tableau Server 用のアイデンティティプール | Server |
ユーザー属性関数 (UAF) | Desktop, Cloud |
モバイル認証時の Safari 以外のブラウザサポート | Mobile |
Tableau Mobile 向けセキュリティポリシーの追加 | Mobile |
Tableau Catalog: 検索結果のコンテンツタイプ表示 | Data Management Add-on |
Web 作成環境でのデータ品質に関する警告 | Data Management Add-on |
Tableau Prep: パートナー製コネクタギャラリーの統合 | Prep(Builder) |
Tableau Prep の入力ステップの機能強化 | Prep(Builder) |
仮想接続: コネクタの追加 | Data Management Add-on |
仮想接続のハイブリッドモード | Data Management Add-on |
Content Migration Tool: 埋め込み認証資格情報のサポート | Server |
Resource Monitoring Tool の機能強化 | Server |
新しい Google BigQuery コネクタ | Desktop, Server, Cloud |
Snowflake のクロスデータベース結合 | Desktop, Server, Cloud |
Tableau Prep のソース行番号 | Prep(Builder) |
クロスデータベース結合の機能強化 | Desktop, Server, Cloud, Prep(Builder) |
管理者インサイトの強化 | Cloud |
管理者インサイトのパーミッションデータソース | Cloud |
列レベルのデータ品質に関する警告の機能強化 | Data Management Add-on |
Google ドライブの共有ファイルのサポート | Desktop, Server, Cloud, Prep(Builder) |
Mobile のデータ表示機能の強化 | Mobile |
「データに聞く」機能の Web コンポーネント | Server, Cloud |
アクセラレーターの機能強化 | Desktop, Cloud |
アクセス権の要求ダイアログボックス | Server, Cloud |
個人用スペースへのパブリッシュ | Desktop, |
表拡張機能コードエディター | Desktop, Cloud |
Web 上の書式設定機能の強化 | Server, Cloud |
増分更新の機能強化 | Desktop, Server, Cloud |
ビューアクセラレーションの推奨機能 | Server, Cloud |
オフラインのライセンス認証機能の強化 | Server |
Ubuntu 20.04 LTS のサポート | Server |
データストーリー | Server |
イメージの役割 | Server |
PROPER() 文字列関数 | Server |
使用状況メトリクス | Server |
スウェーデン語とタイ語のサポート | Server |
ワークブックオプティマイザーの強化 | Server |
Web 作成機能の強化 | Server |
データブレンド UI のアップグレード | Server |
バージョンアップ 個別解説
動的な軸タイトル
今回のバージョンで新たに追加された機能となります。
「軸の編集」の設定画面にてタイトル欄でパラメータ等が選べるようになっています。これにより動的な軸タイトルの表現が可能となりました。
従来は、例えばパラメータを用いて表示内容を売上・利益で切り替えるチャートを作成した場合、軸のタイトルを動的に変化させるには少し工夫が必要でした。
従来の設定方法
<パラメータ作成>
<タイトルのフィールド作成>
「タイトル」のフィールドを計算式で作成し、パラメータに合わせてテキストでタイトルを表示させる設定とします。
<チャートに「タイトル」を追加>
以下のように縦軸に表示値のタイトルを表示させるなら行に「タイトル」を追加します。
これにより、パラメータを変更するとチャートの軸タイトルが変更されます。
今回の設定方法
今回のバージョンアップでは、軸のタイトルに直接パラメータを設定することができるようになりました。
<軸の編集でタイトルにパラメータを設定>
軸の編集画面にて、軸のタイトルの欄に従来の入力形式の「Custom」の他に、パラメータなどが選択肢に表示されます。
今回の「表示切替」パラメータを選択します。
上記の設定だけで、冒頭に説明したものと同じくパラメータを変更したらチャートの軸タイトルが連動するようになります。
動的な軸のタイトルがより簡単に追加できるようになりましたのでぜひ使ってみましょう。
Tableau Prep の入力ステップの機能強化
今回の機能拡張でTableau Prepの操作がより扱いやすくなりました。
インプットアイコンの設定画面の操作性が向上し、フィールドの複数選択による操作や相対日付のフィルタなどが利用できます。
<前回までのインプットアイコンの設定>
前回まではインプットアイコンでは以下のような機能のみで、特に複数フィールドをまとめて削除などができませんでした。
- 「値のフィルター」から計算フィールドでフィルタをかける
- チェックボックスで一括削除/追加と1つずつ個別での削除/追加 の設定
- 1つずつ非表示/表示の設定
- 1つずつフィールド名のリネーム
<今回のインプットアイコンの拡張機能>
今回の機能拡張では、インプットアイコンの設定欄で、以下のことができるようになりました。
- 複数フィールドを選択し一括で削除や非表示の設定【拡張機能】
- 1つずつフィールドを選んでフィルターの設定【拡張機能】
- 日付(または日付と時刻)のフィールドは相対日付フィルターでの設定が可能【拡張機能】
- 1つずつフィールド名のリネーム【従来どおり】
Tableau Prepでデータを接続する際、予めフィールドを削除したりフィルタをかけたりすることでデータの読み込みスピードを速くすることが可能になりますが、
1つずつカラムを削除する手間がありフィルタの設定などもし辛く多少不便な面がありました。今回の機能拡張でデータの読み込み設定がとても扱いやすくなりました。
Tableau Prep のソース行番号
今回のバージョンで新たに追加された機能となります。
ExcelやCSVなどに限定されますが「Source Row Number」フィールドが自動で追加されるようになりました。
(初期値は削除の状態となっていて必要に応じて「フィールドを含める」で追加します)
元のファイルの並び順が必要な場合などに活用することができます。
個人用スペースへのパブリッシュ
今回のバージョンアップで個人用スペースへ簡単にコンテンツを格納できるようになりました。
(前回まではTableau Desktopから個人用のスペースへの直接パブリッシュは不可で、一旦パブリッシュしてから移動する必要があり少し不便な点がありました)
以下のように、Tableau Desktopからのワークブックのパブリッシュの設定にて「Personal Space」を選択できます。
<個人用スペースの留意事項(Tableau ヘルプ引用)>
既存のワークブックまたはデータ ソースをパーソナル スペースに格納する際、以下注意が必要です。
- 共有、アラート、サブスクリプションなどのツールが非表示になります。
- 既存の抽出更新はスケジュールされている場合は引き続き実行されますが、ユーザーはパーソナル スペース内で新しい抽出更新をスケジュールすることはできません。
Web 上の書式設定機能の強化
今回の機能拡張でWeb編集がさらに使いやすくなりました。
Tableau Desktopでは表に縞模様を設定することができましたが、Tableau Server、 Tableau CloudのWeb編集でも縞模様の設定が可能になりました。
表などの上で右クリックして、ワークシートの書式設定を開くと、網掛けの欄があります。
網掛けの設定を開くと以下のようになっていまして縞模様の設定が可能です。
- 行と列の縞模様のON/OFFがスイッチ切替で簡単に設定。
- ペインとヘッダーの色設定を同色・別々で簡単に切替。(リンクアイコンをつなぐと同色に)
- サイズやレベルの設定も可能。
<以下は縞模様を行に、ヘッダーとペインで別の色を割当てた例>
以上、バージョンアップについての個別解説となります。
今回のバージョンアップでは、Tableau Desktop、 Tableau Server、 Tableau Cloudなど全般的に機能追加や拡張が行われ、前回のバージョンまでで未対応だったTableau Serverの機能追加も行われました。個人的にはWeb編集がだいぶ扱いやすくなってきたように思えて嬉しいです。新しい機能などと共に色々と便利な機能を活用していましょう。
※Tableau 2023.1.0時点の情報です 時点の情報です。