新機能紹介シリーズ Alteryx Designer 2020.4
2020年11月18日にAlteryxDesignerの2020.4バージョンがリリースされました。
今回は大幅なアップデートはありませんが、組み込みのPythonについてセキュリティアップデートがありました。また、影響が大きかったマルチバイト文字をファイルパスに持つExcelファイルへの上書きのバグ(DE26902)が解消されています。
また、一部関数について追加機能が入りましたので、旧バージョンのDesignerで開く場合に新機能を使っているとエラーになる可能性があるのでご注意ください。
詳細について紹介していきます。
バージョンアップ概要
- Pythonセキュリティアップデート
- Alteryx Multi-threaded Processing(AMP)機能向上
- ローカライゼーション
- 数値表示の国際サポート
- 国際的な数値区切りサポート
- ツールバージョンアップ
- セレクト 見栄え改善
- データクレンジング パフォーマンス改善
- その他機能バージョンアップ
- サンプルデータセットへのアクセス改善
- 軽微な改善
- バージョン情報
- 結果ウィンドウ
- ソート/結合メモリとスレッドの改善
- ツール等のワークフロー上の場所を整数として保存
- Adobe Analyticsの認証アップデート
バージョンアップ 個別解説
Pythonセキュリティアップデート
Python version 3.6 のセキュリティ上の脆弱性に対応するため、embedded Python は 20.3 リリースの 3.6.8 から 20.4 リリースの 3.8.5 にアップグレードされました。 Alteryx、パートナー、サードパーティが開発したカスタムツールとコネクター (YXI ファイル) で、Alteryx インストーラーに同梱されていないものは、再インストールが必要になることがあります。 これは、Designer、Server、Alteryx Analytics Hub にインストールされているカスタムツールに影響します。
組み込みPythonがアップグレードされましたので、一部のPythonを利用したカスタムツール等で再インストールが必要になることがあるのでご注意ください。
Alteryx Multi-threaded Processing(AMP)機能向上
AMPの機能が向上しています(同様に、AMP関連のバグもいくつも解消しております)
- AMP Engineの詳細
- AMPのフォーミュラ関数の完全なサポート
- その他のAMP対応ツール
- ダウンロードツール
- 集計ツールの空間処理対応
- AMPのコードページを使用したCSV読み取りと書き込み
- AMPの文字列トランスコーディング
ざっくり感としては、コードページ(文字コード)関連にかなり手が入ったようで、コードページに関連した機能がアップしております。また、フォーミュラツール(複数行フォーミュラ、複数フィールドフォーミュラ)の関数もAMPで動作するようになったようです。
AMPは大きいデータセットではかなり高速に動作するため、乗り換えると速度アップの恩恵を受けることが可能です(一部ツールの動作のふるまいが変わっていますので、結果が一致することを確認することは必須です)。
ローカライゼーション(数値表示の国際サポート)
ローカライゼーション設定で桁区切り記号と小数点記号を選択できるようになりました。
国際的な数値区切りサポート
ToNumber関数とToString関数がアップデートされ、様々な数値形式に対応しました(桁区切り記号と小数点記号の選択が可能になっています)。
ツールバージョンアップ
セレクトツール
フィールド名が長い場合に、幅が自動で伸びるようになりました(最大40文字とのこと)。
データクレンジングツール
もともとデータクレンジングツールはAlteryxマクロでしたが、内部構造が大幅に変更となり、パフォーマンスアップとフィールド名に引用符が使用可能になりました。
こちらは、データクレンジングツールのワークフローを表示したものです。チェックをつけて実施する項目のみを実行させることで高速化を図っているようです。
サンプルデータセットがヘルプからアクセスできるようになりました
サンプルデータセットへのアクセスが容易になりました。
ここ(C:\Program Files\Alteryx\Samples\data)へのリンクがヘルプメニューに入っただけではありますが・・・。
バージョン情報をコピーできるようになりました
ケース登録をあげる(サポートを受ける)際にDesignerのバージョン情報が必要になりますが、これを簡単にするためにバージョン情報が右クリックメニューからコピーできるようになりました。
なお、バージョン情報は、メニューの[ヘルプ]-[Alteryx Designerについて]から開くことができます。
結果ウィンドウのアップデート
結果ウインドウの見た目が変わっています(最初使い始めると驚くポイントです)。クリップボードへのデータのコピーなどが「アクション」メニューにまとめられています。
Adobe Analyticsの認証アップデート
Adobe Analytics ツールを使用する場合、ユーザー認証に Adobe.io の資格情報、サービスアカウント認証に JWT を使用して認証できるようになりました。
ソート/結合メモリとスレッドの最大数を指定できるようになりました
今まで、「ソート/結合メモリ」の設定となっていたのが、「Memory Limit(メモリの制限)」に名称が変わっています。また、処理スレッド数が指定できるようになりました。リリースノートでは、AMPエンジン用に、ということにはなっていますが、旧エンジンでも同じかと思われます(旧エンジンは基本シングルスレッドなので、一部のマルチスレッドで動くツール用の設定かもしれません)。
こちらのシステム設定は、メニューの[オプション]-[詳細オプション]-[システム設定]の中の[Engine]の[General]になります。
ツール等のワークフロー上の場所を整数として保存
ツール、コンテナ、コメントなどのワークフロー上の場所(位置、高さ、幅)をこれまでは浮動小数点で保存していたものを整数として保存するようになりました。
※Alteryx Designer 2020.4.5.12471 時点の情報です