
Alteryxツールアイコン「LLM上書き設定ツール」(LLM Override Tool)をご紹介します
LLM上書き設定ツール(LLM Override Tool)
[GenAI]カテゴリの[LLM上書き設定]ツールを紹介します。
概要
LLM上書き設定ツールは、Alteryx Oneプラットフォームに接続し、LLM接続情報を取得し、LLMへ接続するためのツールです。基本的にAlteryx Oneプラットフォームに存在する接続設定のみを利用することが可能です(デフォルト準備されたLLMも2種類接続可能なので、必ずしもAlteryx Oneプラットフォームに自分で設定を作成する必要はありません)。
このツールを使うためには?(契約関係)
本ツールはエディションベースの契約(Alteryx Oneでの契約)かつ、AI Builderのオプション契約がある場合のみ、LLMリストが取得されます(AI Builderは、Intelligence SuiteとGenAIツールが利用できるオプション契約です)。
また、ベーシックユーザーロールの方(Basic Creator)は利用できません。フルユーザーロール(Full Creator)の権限が必要です。
設定項目
Set Up a Connectionをクリックすると、まずAlteryx Oneプラットフォームへのログインを行います。成功すると、利用可能なLLMのリストが出てくるため、そこで利用したいLLMのモデルを選択します。その後、M出力を他のGenAIツールのM入力に接続する形で使っていきます。
利用可能なモデルについて
デフォルトで利用可能なモデル
デフォルトで利用可能なモデルは以下の2つです。
- Open AI(Alteryx Engineering)
- Vertex AI(Alteryx Engineering)
Geminiの場合は、2.5Proなどはないようです・・・。
好きなモデルを使いたい場合
一方で、自分で好きなモデルを使うこともできます。この場合、Alteryx ONEのクラウド環境のDataのConnectionsにて事前に接続設定を作成しておく必要があります。対象となるLLMは現時点(2025年9月)時点では以下のとおりです。
- Amazon Bedrock
- Anthropic
- Azure OpenAI
- Cohere
- Databricks
- DeepSeek
- Google Gemini
- Google Vertex AI
- Groq
- Hugging Face
- Mistral
- Open AI
- Perplexity
- xAI
外部LLMを使う場合は、利用規約などを注意深く確認してください。送信したデータが再学習になど使われるような契約もありえます。
実際のやり方は以下を参照ください。
使い方
GenAIツールを配置し、接続設定、ログインを行う
LLM上書き設定ツールをキャンバスにドラッグ&ドロップします。
LLM上書き設定ツールの設定画面は以下のとおりです。
ここで、Set Up a ConnectionをクリックしてLLMへ接続していきます。初期状態であれば、以下の通りAlteryx Oneプラットフォームの接続設定がないと思います。
右上の「+New」ボタンをクリックしてAlteryx Oneプラットフォーム設定を作っていきましょう。
ここで入力するものは、接続設定名(Data Source Name)、Base URL、Workspace Nameの3つです。接続設定名はお好きなもので。
- Base URL
接続するAlteryx Oneプラットフォームの一番トップのURLを入力します。アクセス時に使われるURLは以下のようになっていると思いますが、この「.com」までの部分を使います。
https://au1.alteryxcloud.com/cloud-portal?workspaceGid=[YOUR WORKSPACE ID]
上のような形であれば、「https://au1.alteryxcloud.com」を入力します。
- Workspace Name
ワークスペース名は、ログイン時に選択しているもの、もう少し確認しやすいものとしては、Alteryx Oneプラットフォームにログインしたときに右上に出てくるワークスペース名のことです。
必要事項を入力し、「Save」ボタンをクリックすると、次はCredenstialを作成する必要があります。
右中央にある「+Connect Credential」ボタンをクリックします。
ここは、ほぼそのまま進めればオッケーですが、「Allow connection for SDK」にチェックを入れておきましょう。ちなみに、「Test Connection」ボタンは機能しないようなので、無視してそのまま「Create and Link」をクリックしてください。
「Connect」ボタンが青色になっていればLLMへの接続が可能になります。青色になっていない場合は、「Allow connection for SDK」にチェックが入っていないと思いますので、チェックを入れてください。
この後、Alteryx Oneプラットフォームにログインすることになります。パブリックプレビュー版では一度目は失敗するとのことなので、二回ログインする必要がありますが、成功するとブラウザに以下のような成功メッセージが出ます。
このブラウザのウィンドウは消してオッケーです。それではDesignerに戻りましょう。うまくいっていれば、以下の通り「Authentication Verified」という緑色のメッセージが出ます。
あとは、LLM ProviderとModelを選択するだけです。
Modelを「Default Model」にすると、「Gemini 2.0 flash」になるようです(Alteryxの動画より)。そのため、LLM ProviderをOpen AIにすると各GenAIツールの方でエラーになるのでご注意ください。Modelを「Default Model」にする場合は必ずLLM Providerを「Vertex AI (Alteryx Engineering)」にしてください。基本的にはちゃんとModelは指定したほうが良い、ということになるかと思います。
まとめ
- LLM上書き設定ツールについて紹介しました
- LLM(Alteryx Oneプラットフォーム)への接続の手順をご紹介しました
- 利用できるLLMプロバイダおよびモデルについて紹介しました
不具合等
今回の検証で発生した不具合についてご紹介します。
認証の問題
パブリックプレビューで判明している既知の制限として、1回目のAlteryx Oneプラットフォームへの認証が失敗する、という情報が記載されています。2回目は成功するので、同様の事象が発生した場合は再度認証をやり直してください。
以下の認証画面が出ないときは失敗です。
何かを契機で時間差で出たりもしてよくわからないですが、GA版(商用版)では治るといいですね・・・。
翻訳がされていません
現時点では、日本語UIにすると、ラベルにリソースが割り当てられていないものがあるため、以下のようにおかしな表示になる項目があります。現時点では英語UIでの利用を推奨します。
※Alteryx Designer 2025.1.2.120 時点の情報です