Alteryxで便利に使えるCReW Macroとそのインストール方法をご紹介します
Alteryxの標準ツールが対応していなくて、あると便利なツールをマクロで提供してくれているのが「CReW Macro」です。そのうち、一部のマクロは公式ツールとされているものもあります。基本英語ベースなのでたまに日本語で動かないものもありますが、使ってみてはいかがでしょうか?
なお、本記事ではインストール方法とRunnerマクロの注意点についても触れています。
CReW Macroのマクロ一覧
CReW Macros
マクロ名 | マクロ名(日本語) | 概要 |
---|---|---|
Wildcard Input | 複数入力 | 複数のファイルをワイルドカード指定で読み込むことができます。XLSXについては「Wildcard XLSX Input」を利用してください。スキーマが異なるファイルも読み込み可能です。 |
Wildcard XLSX Input | 複数XLSX入力 | フォルダー指定でXLSX形式のファイルを複数一括で読み込むことができます。除外するシートも選択可能です。 |
Add Totals | 合計追加 | 行、列に対して合計を追加します。 |
Moving Summarize | 移動合計 | 移動集計を行います(移動平均等様々な集計を行うことができます)。 |
Trim Mean | トリム平均 | 外れ値(レコード数の%で指定)を抜いた平均値を取得します。 |
Weighted Median | 重み付け中央値 | 重み付けフィールドにもとづいて、重み付けした中央値を算出します。 |
Bivariate Theming | 2変数テーマ | ポイントの色とサイズを指定する 2 つの変数によってテーマ化されたマップを作成します。 |
Gauge | ゲージ | レポートで使用できるゲージを出力します。ゲージは指定した数値で作られます(0~100の値の範囲で指定します)。 |
Street View | ストリートビュー | Google Street ViewをIFRAMEでHTMLのレポートに埋め込みます。 |
Tableau Format | Tableauフォーマット | Tableau用に空間オブジェクトをx、y座標に分割します。 |
Weighted Average | 重み付け平均 | 複数の空間オブジェクトに対して、重み付けした中心点を求めます。データは縦持ちで与える必要があります。 |
Chi Square Test | カイ二乗検定 | 2つのカテゴリデータ間でカイ二乗検定を行います。 |
Blocking Test | ブロッキングテスト | すべてのレコードがTrueになる場合のみデータを下流に流します。 |
Conditional Runner | 条件付きランナー | ランナーツールの結果に基づいてワークフローを実行します。 |
Dynamic Formula | 動的フォーミュラ | フォーミュラツールを動的に利用できるようにします。 |
Dynamic Metadata | 動的メタデータ | 動的にフィールドの型、サイズを変更します。 |
Ensure Fields | フィールド確保 | フィールドを確保(追加)します。 |
Field Sort | フィールドソート | フィールドをソートします。 |
JSON Create | JSON作成 | JSON形式のデータを作成します。 |
Label Block Until Done | 完了までブロック(ラベル) | ほぼ通常のBlock Until Doneツールと同様です。 |
List Runner | リストランナー | リストにもとづいてワークフローを順次実行します。 |
Log Parser | ログ変換 | ランナーツールの出力するログを変換します。 |
Only Unique | 唯一ユニーク | 重複が全くないレコードのみを抽出します。 |
Parallel Block Until Done | 完了までブロック(並列) | 2つのデータソースに対して順番に実行するツールです(Block Until Doneは1つのデータソースのみ制御)。 |
Runner | ランナー | 指定したワークフローを順次実行します。 |
Skip Last N | 最後のN行をスキップ | サンプリングツールが持っていない「最後からN行をスキップ」します。 |
Wait A Second | 少し待つ | 通過するレコードの待機時間を設定できるマクロです(内部的にPINGを飛ばすのでインターネット環境が必要です)。 |
Version | バージョン | CReW Macroの最新版があるかどうかをチェックします。 |
CReW Test
マクロ名 | マクロ名(日本語) | 概要 |
---|---|---|
Expect Error | エラーを期待 | Test Runner用のマクロとのことです。 |
Expect Zero Records | 0レコードを期待 | このツールに入力されるレコード数が0以外の時にエラーを返します。 |
Test Runner | テストランナー | すべてのテストを実行するマクロです。 |
Expect Equal | 同じであることを期待 | 2つのデータストリームが一致するかを判定します。一致しない場合はエラーを返します。 |
CReW Macro配布サイト
CReW Macroの配布サイトはこちらです。
CReW Macro配布サイト
http://www.chaosreignswithin.com/p/macros.html
マクロはzip形式で圧縮されていますが、以下の通りの順序でインストールしてください。
- ZIPファイルから任意のフォルダに解答する
- 適切なフォルダに配置する(マクロ用フォルダ以外のフォルダ推奨)
- Install.yxwzを実行し、完了をクリックする
- Designerを再起動する
ポイントは、2の適切なフォルダに配置する、というところです。CReW Macroのインストーラーはファイルのコピーは行わず、インストーラーを実行したフォルダを見に行くようにDesignerの設定ファイルを書き換えます。そのため、[オプション]-[ユーザー設定]にある「ユーザー設定の編集」から「マクロ」タブに登録してあるフォルダには入れず、別のフォルダに置いてインストールすることをおすすめします。
また、CReW Macroのインストーラーはマルチバイトのファイルパスをサポートしていません。必ず日本語を含まないパスに配置し、インストールを行ってください。
アンインストールについて
CReW Macroは以下の3つのiniファイルを書き換えるようになっています。そのため、アンインストール時は、CReW Macroのフォルダに入っているInstall.yxwzから「Uninstall」を選択して実行してください。以下の3つのiniファイルのみが削除されます。
- C:\ProgramData\Alteryx\DataProducts\AddOnData\Macros\CReW.ini
- C:\ProgramData\Alteryx\DataProducts\AddOnData\Macros\CReWTest.ini
- C:\ProgramData\Alteryx\DataProducts\AddOnData\Samples\CReW.ini
アンインストール後に、CReW Macroが入っているフォルダごと削除すれば完全にアンインストールできます。
Runnerツールについて
CReW Macroに含まれている便利なマクロ「Runnerマクロ」の注意点を記載します。このマクロは、指定したワークフローを次々と実行してくれるという非常に便利なツールです。実はこのツールはAlteryxの正式サポートツールとなっています。
しかしながら、日本語のパスを含むと動きません。正確に言うと、2022.3以降で動くようになりますが、Gallery からダウンロードする必要があるのと、本家のCReW Macroの一部のファイルをGalleryから落としてきたファイルで上書きする必要があります。
ちなみに、サポートされているのは、こちらのアイコンのものです。
本家のRunnnerアイコンはこちらです。
一応正式なインストール方法 はありますが、この方法だと他のRunnner系ツール(ListRunner)が日本語問題で動作しないので、本家のCReW Macroを上書きして導入することをおすすめします。
※CReW Macroの本体ダウンロードサイトに含まれるAlteryxRunner.exe(Macros\SupportingExesに配置)は古いものになっています(タイムスタンプが2021/06/28 18:57)ので、これは日本語に対応していないものとなります