皆さま、こんにちは。いつもKCME Tech Blogをご覧いただきありがとうございます。今回は少し前に、東京の新交通システムゆりかもめの設備メンテナンスで使用されていたPC98シリーズが引退したというツイートから、日本のIT投資について考えてみたいと思います。最後まで是非、ご覧ください。
ゆりかもめで使われてきたノートパソコンPC9801
設備メンテナンスで使用していたパソコン(写真)が引退しました。25年前のノートパソコン「PC-9801」で、開業から使用していました。持ち運びには苦労しましたが、安全・安定運行を陰から支える、頼れる一台でした。おつかれさまでした。 pic.twitter.com/qdkUoVJUpG
— ゆりかもめ公式お知らせ (@yurikamome_info) July 2, 2020
先日、新交通システムゆりかもめの公式アカウントからツイートされ、ちょっとした話題になっていました。25年前から使われたノートパソコンがついに引退という内容に、メーカーであるNECさんからも長期使用に対しての感謝のコメントがツイートされました。
私が初めてさわったパソコンは同じNEC製のPC9801RX2でした。当時は20万円くらいしたかな?かなりの高額なパソコンでしたが、主にゲーム機と化していましたね。大阪に住んでいましたので、ゲームを買いに日本橋まで電車で通ったのを思い出します。
レガシーシステムが支える日本
しかし、なぜ日本の首都東京の重要インフラである鉄道の設備メンテナンスシステムにレガシーシステムであるPC98という古いシステムが使われてきたのでしょうか?
・信頼性
・実績
・慣れたシステム
・壊れない
等々
では、このパソコンが壊れたら、ゆりかもめは止まってしまったのでしょうか?古いパソコンなので修理に使う保守部品などは大丈夫だったのでしょうか?現場で保守作業している人は古いシステムに困っていなかったのでしょうか?
実際にはシステムの保守契約を結んでいるでしょうから、故障しても対応は可能だったのだとおもいます。さらにPC98はまだまだ各所で活躍しているようで、ネットを検索すると町工場から大企業の製造現場、公共システムまで現役で使用されているようです。当時のパソコンは耐久性に優れておりNECさんのシステムは官公庁に導入されているなど信頼できる製品であることは間違いありません。
しかし、公式には2010年で保守は打ち切られており、代替えがきかずにPC98などを扱う専門のSHOPが修理や交換部品の供給を支えているという、システムの安定運用という視点でみればPC98を使い続けることは、綱渡りの状況であることは確かです。
最新システムを装備した世界と戦えるのか?
少し視点を変えてみましょう。私が不安に感じるのは、レガシーシステムで世界と戦えるのか?ということです。
某ドラマではありませんが、ネジ1本が日本のものづくりを支えているといわれています。職人技に裏打ちされた素晴らしい部品をつかった製品が日本の各所でつくられ世界に輸出されています。
逆にいうと、町工場のレガシーシステムが急に故障し、ネジ1本ができない状況になると最終製品にまで影響し、世界のマーケットで日本製品は売れなくなってしまいます。また新興国のライバルは、レガシーシステムでなくまったく新しいところから最新のシステムをベースにして勝負をかけてきます。
また、日本は人口減少社会となり、先進国で最も低いといわれている生産性の向上が急務となっています。
レガシーシステムを見直し、最新システムへIT投資しませんか?
先日の記事にも少し書きましたが、成田空港などの国際拠点空港では顔認証システムを用いた出入国管理がおこなわれています。
これは、インバウンド需要の急増による審査官の負担を減らすことが目的になります。今はこのシステムは日本人を中心に運用されており、基本的に外国のパスポートを保有する人は、従来の審査官による出入国管理がおこなわれています。しかしながら、例えばシンガポールのチャンギ国際空港では、日本のパスポートであっても出国については自動化ゲートでの審査になっています。これは、運用側の省力化だけでなく、旅行客にとっても審査待ちの長い列に並ばずスムーズに出国できるメリットがあり、シンガポールという国自体のイメージもスマートになります。
日本は経済成長が早い段階ですすみ、先進国になりました。しかし、その反面現在では、当時のレガシーシステムを維持し使い続けているデメリットもあります。一度作ったものを大切に使い続けることも美徳の1つではありますが、世界を相手にしたとき、それが足かせになっていることも多々あります。
システムだけでなく会社の仕組みを変えることは小さなことでも難しいことは、いち会社員として理解できます。しかしそれでよいのでしょうか?
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