新機能紹介シリーズ Alteryx Designer 2021.2
2021年5月17日にAlteryxDesignerの2021.2バージョンがリリースされました。
今回もインテリジェンススイート周りに変更が入っています。
詳細について紹介していきます。
バージョンアップ概要
- Intelligence Suite に機能追加
- マクロに変換
- Rツールアップグレード
- ローカライゼーション
- 予測ツールのコードページ指定
- 予測マクロの埋め込みフォントの更新
- 全体的なソート機能で漢字のソート方法を強化
- その他機能バージョンアップ
- 結果ウィンドウでのデータクレンジングの反映
- グローバルUID
- GoogleBigQuery出力ツール更新
- Salesforce入力ツールのメンテナンス
- SafeModeエラーメッセージテキスト
- デッドロック防止
- ツールの例を更新
バージョンアップ 個別解説
Intelligence Suite に機能追加
オプション機能である「インテリジェントスイート」がさらに強化されました。
- 「コンピュータービジョン」カテゴリ新設
- インテリジェンススイート個別インストーラ化
- インテリジェンススイートのトライアル機能追加
「コンピュータービジョン」カテゴリ新設
「テキストマイニング」カテゴリからOCR関係のツールが独立し、「コンピュータビジョン」カテゴリが新設されました。
- 画像入力(Image Input)
- 画像出力(Image Output)
- 画像処理(Image Processing)
- 画像テンプレート(Image Template)
- テキストへ変換(Image to Text)
結果として、テキストマイニングカテゴリは、以下のツールで構成されるようになりました。
- 感情分析(Sentiment Analysis)
- テキスト前処理(Text Pre-processing)
- トピックモデリング(Topic Modeling)
- ワードクラウド(Word Cloud)
また、トピックモデリングツールにM出力アンカーが追加されました。これにより学習したモデルの保存が可能となります。
インテリジェンススイート個別インストーラ化
インテリジェントスイートは個別インストーラになりました。そのおかげでDesignerのインストーラのファイルサイズは大幅に削減されました(約1G程度削減されています)。
- 新バージョン AlteryxInstallx64_2021.2.1.35394.exe ・・・ 497,367KB
- 旧バージョン AlteryxInstallx64_2021.1.2.20534.exe ・・・ 1,426,769KB
インテリジェンススイート関連のツールをキャンバスにドラッグ&ドロップすると、以下のようなダイヤログが表示され、インストーラーをダウンロードするような通知がでます(License Portalもしくは、ダウンロードボタンの先にあるWEBサイトからダウンロードください)。
※ダウンロードボタンのリンク先のホームページ上からですとNonAdmin版になるようですので、現在利用されているバージョンと合わせるように願います(Admin版がインストールされている場合は、License PortalからAdmin版を入手してください)
インテリジェンススイートのトライアル機能追加
インテリジェンススイートのライセンスを持っていない状態でインテリジェンススイートのツールをキャンバスにドラッグ&ドロップすると、トライアルを開始するウィンドウがポップアップします。ここで、「無料トライアルを開始」ボタンをクリックするとトライアルが可能です。
マクロに変換
既存のワークフローからマクロに変換するオプションが実装されました。ただし、一度実行する、レポートツールを含まないなど、制限が様々ありますので、ご注意ください。既存のワークフローもしくは選択したツールからyxmc形式で保存することで、マクロが保存され、自動的に元のワークフローにはマクロが挿入されます。
ツールを右クリックした際に右クリックメニューに「マクロに変換する」が表示されればマクロに変換できる条件を満たしたことになります。
詳細はHelpを御覧ください。
マクロに変換する fa-share-square-o(Helpのマクロの記事に掲載されています)
Rアップグレード
Alteryxで使用されているRが3.6.3から4.0.4にアップグレードしました。
Rのアップグレードにより、Rを使用しているツール(予測カテゴリ等のツール)のメモリ管理が改善され、より多くのデータを処理できるようになりました。
ローカライゼーション
今回のローカライゼーション関係のアップデートは以下のとおりです。
- 予測ツールのコードページ指定
- 予測マクロの埋め込みフォントの更新
- 全体的なソート機能で漢字のソート方法を強化
予測ツールのコードページ指定
[オプション]-[ユーザー設定]-[ユーザー設定の編集]の「ローカライゼーション」タブに新規に「既定の予測ツールコードページ」オプションが追加されました。ワークフロー設定のランタイムタブにも同様のオプションが追加されています。
予測マクロの埋め込みフォントの更新
予測マクロに埋め込まれていたフォントが更新されました。
これにより、PDFレポートの文字化けが改善されます。
全体的なソート機能で漢字のソート方法を強化
[オプション]-[ユーザー設定]-[ユーザー設定の編集]の「ローカライゼーション」タブに新規に「並べ替え方法」オプションが追加されました。これにより、漢字を「五十音」「ピンイン」「辞書順」で並び替えができるようになりました。この設定は、各ツール、例えばセレクトツールのフィールドの並べ替えなどで利用できます。ソートツールでは、「辞書順を使用」のオプションにチェックがつくのがデフォルトとなり、「Japanese(Japan)(Phonetic)」のオプションがデフォルトで選択されます。
その他
- 結果ウィンドウでのデータクレンジングの反映
- グローバルUID
- GoogleBigQuery出力ツール更新
- Salesforce入力ツールのメンテナンス
- SafeModeエラーメッセージテキスト
- デッドロック防止
- ツールの例を更新
結果ウィンドウでのデータクレンジングの反映
結果ウィンドウ内の前処理にデータクレンジングが追加されました。それにより、メニュー構成に変更が入っています。
結果ウィンドウ内での前処理は、項目名の右端にある点3つのアイコンをクリックすることでメニューを出すことができます(以前のバージョンv2019.3から可能です)。
ここで、データクレンジング、フィルター、ソートを実行できます。
ここで行った前処理はWFに適用できます(ツールが自動的に追加されます)。
今回はデータクレンジングのみなので、データクレンジングアイコンが追加されました。
グローバルUID
ワークフロー(標準ワークフロー、マクロ、分析アプリ)がXML内の一意のIDを追跡するようになりました。元々のワークフローのID、以前のワークフローのIDが含まれます。
例として、テストで作成したワークフロー(yxmdファイル)をテキストエディタで開いてみました。下の方にメタ情報(MetaInfo)がありますが、その中にWorkflowIDが記載されるようになっています。これにより、バージョンの追跡が可能になっています。例えば、このワークフローを名前をつけて保存すると、このワークフローのWorkflowIDがPreviousWorkflowIDとして記録されます。
<MetaInfo>
<NameIsFileName value="True" />
<Name>新しいワークフロー10</Name>
<Description />
<RootToolName />
<ToolVersion />
<ToolInDb value="False" />
<CategoryName />
<SearchTags />
<Author />
<Company />
<Copyright />
<DescriptionLink actual="" displayed="" />
<Example>
<Description />
<File />
</Example>
<WorkflowId value="6a523a6a-5f46-489f-b72a-4a1ab5f63a85" />
<Telemetry>
<PreviousWorkflowId value="b2211270-3195-4070-a56e-787d07f52262" />
<OriginWorkflowId value="6a523a6a-5f46-489f-b72a-4a1ab5f63a85" />
</Telemetry>
</MetaInfo>
GoogleBigQuery出力ツール更新
GoogleBigQueryツールがv3.0.0にアップグレードされました。詳細はGelleryのリリースノート fa-share-square-oを参照ください。
Salesforce入力ツールのメンテナンス
SalesForce入力ツールが、v4.2.4にアップグレードされました。詳細はGalleryのリリースノート fa-share-square-oを参照ください。
SafeModeエラーメッセージテキスト
Alteryx Serverのセーフモードもしくはセミセーフモードが設定されている際に、制限されたツールを含むワークフローを実行しようとした時にユーザーに返すメッセージを変更しました。
デッドロック防止
ワークフローに結合、複数結合、集計、タイル、ファジーマッチが複数含まれており、メモリ制限が小さい場合にAlteryx Engineがメモリデッドロックに陥る可能性が高い問題を修正しています。
ツールの例を更新
予測ツールのサンプルワークフローのメニュー上の位置が変更になりました。
新:[ヘルプ]-[サンプルワークフロー]-[ツールごとに学習]-[予測]
旧:[ヘルプ]-[サンプルワークフロー]-[予測サンプル]
※Alteryx Designer 2021.2.1.35394時点の情報です