AlteryxのPythonツールで古いパッケージをインストールする方法

Alteryxには、Alteryx内でPythonを使える「Pythonツール」が提供されています。しかしながら、Pythonは独自に進化しているため徐々にバージョンアップしていきます。Alteryxは埋め込みPythonとしてある時点のバージョンのPythonを使用するため、利用しようとするパッケージと現在のPython、そしてAlteryxの埋め込みPython間のバージョンのマッチングの問題が出てくる可能性があります。

今回は、バージョンの関係でどうしても古いライブラリが使いたい、といった場合の方法をご紹介します。

Pythonのライブラリの依存関係を調べる

この記事では、SMOTEと呼ばれるオーバーサンプリングを行うためのPython用ライブラリを例にしてご紹介したいと思います。

Designer 2020.3でSMOTEが使いたい、という要望があったとします。このパッケージをインストールしようとすると、エラーがでます。メッセージ内容としては「Could not find a version that satisfies the requirement ...」という内容で、要求されたバージョンのライブラリがない、ということになります。

pypi.org fa-external-linkというサイトでライブラリ名で検索すると、公開されているPythonのライブラリが検索でき、依存関係を調べることができます。ここで調べてみると、imbalanced-learn 0.9.0は「Python (>= 3.7)」という記載があります。

Designer 2020.3の組み込みPythonは、Python 3.6.8です。2020.4から3.8.5対応となっています。つまり、Designer 2020.4以降であれば、imbalanced-learn 0.9.0が使えるということになります。

それでは、古いライブラリならPython3.7という条件なしで使えないのか？ということで、「Release history」を追ってみましょう。

0.9.0の前は0.8.1です。これの依存関係を見ると、

• scipy(>=0.19.1)
• numpy(>=1.13.3)
• scikit-learn(>=0.24)
• joblib(>=0.11)
• keras 2 (optional)
• tensorflow (optional)

とのことなので、Pythonのバージョンの依存はなさそうです。ということで、一つ前のライブラリを使えばなんとかなりそうです。

古いバージョンのライブラリを使用するには？

通常、AlteryxのPythonツールでライブラリを使うには、以下のように記載します。

Package.installPackages(['imblearn'])

それでは、古いバージョンをインストールするにはどうするか？ですが、通常のPythonの環境でPIPを使う場合は、

pip install imbalanced-learn==0.8.1

とのことです。

同じようにAlteryxで書けないか、、、

Package.installPackages(['imblearn==0.8.1'])

無事にこれで行けました！

AlteryxのPythonバージョンについておさらい

改めてAlteryxの埋め込みPythonのバージョンについて確認してみましょう。

基本的にはHelpのAlteryx 埋め込み Python fa-external-linkというページにまとめられていますので、こちらを参照下さい。

Python自体は2022年3月時点ですでに3.10まで出ているので、また1年くらいするとアップデートがあるかもしれませんが、埋め込みPythonのバージョンが変わる時はPythonベースのツールやマクロの更新も必要だったりしますので、利用されている方はご注意下さい。

まとめ

• Alteryxには埋め込みPythonのバージョンが決まっていて、対応するライブラリしか使えない
• 依存関係はpypi.org fa-external-linkというサイトで確認可能
• 古いバージョンのライブラリを使う場合、Package.installPackages(['imblearn==0.8.1'])という形式でインストール可能
• Alteryxの埋め込みPythonのバージョンが変わると、Pythonベースのツールは更新が必要

Alteryx Designer バージョン2021.4.1.04899時点の情報です。

written by AkimasaKajitani