Alteryx Inspire 2023キーノートの内容ご紹介
今年は初めて弊社でAlteryx 年次カンファレンスの「Inspire」に参加することができましたので、ブログでレポートしたいと思います。毎年Inspireは場所が変わって開催されますが、今年はネバダ州ラスベガス開催でした。5月のラスベガス、気候的にはそこそこ暑かったです。
イベント概要
イベント名称:Alteryx Inspire 2023
開催期間:2023年5月22~25日(トレーニングや資格試験などが22日、23日に開催され、キーノートやブレイクアウトセッションは24日、25日に行われます)
開催場所:アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガス ベネチアン・カンファレンスセンター
一つの記事ですべてをカバーするのは難しいため、この記事では2日に渡って行われたキーノートで発表があったものをご紹介したいと思います。
今回あったキーワード・新発表は以下のとおりです。
- AiDIN
- カスタマーアワード
- Snowflake
- 2023後半と将来の機能紹介
- Alteryx CloudのGIS機能
- Certification
- New ACEs
- Maveryx
- Inspire on tour
Day1:24日
海外のカンファレンスは朝早くから始まります。基本、近くのホテルに泊まるのが前提だからでしょうか。キーノートは8時30分スタートです!
Join the Movement
Speaker:Mark Anderson CEO, Alteryx
企業は長年にわたり、データのクリーニング、ウェアハウス、集計など、データの活用に力を注いできました。しかし、真の価値と強力なビジネス成果を引き出すには、スケーラブルな分析ソリューションが必要です。
CEOのマーク・アンダーソンは、今こそアナリティクスを活用して、組織の隅々まで行き届いた意思決定を行う革新的な企業の仲間入りをする時である理由を説明します。
AiDIN
AiDINは、AlteryxとGenerative AIを組み合わせたものです。つまり、ChatGPT的な機能をAlteryxに組み込んだソリューションといって良いかと思います。
キーノートでは、Designer Desktopに組み込んだ「Summarize Workflow」と、Auto Insightに組み込まれた「Magic Document」の2つについて触れられていました。「Magic Document」は、2日目のキーノートのSNEAKSで垣間見ることができましたが、ほぼ自動でパワーポイントのレポートまで作ってくれるという素晴らしさです。一方の「Summarize Workflow」はワークフローが何をするものなのか要約を作ってくれます。
- AiDINのプレスリリース「Alteryx Announces Generative AI Capabilities 」。
- Workflow Summaryツールの紹介「Introducing the Workflow Summary Tool, Powered by Generative AI 」
- Workflow Summaryツールの使い方「How To Use the Workflow Summary Tool 」
- Workflow Summaryツールの入手先「Workflow Summary Tool - Powered by Generative AI 」
- Magic Documentについて「The New Alteryx Auto Insights Magic Documents 」
Magic DocumentはAutoInsightの機能なのですが、AutoInsightが現在日本語化されていないので日本では実質使えないというのは非常にもったいないです。データからインサイトを得て、レポートを作ってまでくれます(しかもパワーポイントで適切な形に作ってくれます)。さらに、メールの本文も作ってくれたりまでできてしまいます。
Analytics for All Employees, Systems & Decisions
Speaker:Boris Evelson Vice President an Principal Analyst, Forrester Research
Speaker:Paula Hansen Chief Revenue Officer, Alteryx
すべての従業員が、信頼できるガバナンス構造の中でアナリティクスの自動化を活用し、日々の疑問からビジネスクリティカルな問題まで、インテリジェントな意思決定を迅速に行う日を想像してください。社長兼CROのポーラ・ハンセンから、なぜアナリティクスレイヤーが2023年の必須機能なのか、そして、すべての従業員、すべてのシステム、すべての意思決定のために、使いやすいプラットフォームで価値を提供するために、私たちに期待することができるのかについて、お話を伺います。また、特別ゲストとしてForrester ReserchのBoris Evelsonが、洞察力主導のビジネス能力を日常のビジネスプロセスに統合するための実用的なベストプラクティスを紹介します。
Alteryx Customer Excellence Award
Speaker:Paula Hansen Chief Revenue Officer, Alteryx
5人の革新的なお客様が、組織のために達成した価値を表彰されます。彼らの功績を称えるだけでなく、彼らがどのようにアナリティクス文化と信頼できるガバナンスの枠組みを構築し、重要なユースケースに取り組み、予想をはるかに上回るインパクトのある結果をもたらしたかについて詳しく説明します。
カスタマーアワードは、コミュニティのExcellence Awardのページで冬くらいに募集が毎年されており、ここに応募された中から優秀なものが選ばれるようになっています。賞は以下5つとなっていました。
- Analytics Cloud:Best Value Creation in the Cloud
- AYX Modeler:Improved Data Latency Across a COE
- Alteryx for Good:Best Use of Data for ESG Impact
- Alteryx for ALL:Best Democratization of Data
- M.V.P.:Best community Engagement Program
今回、受賞された5社からそれぞれ1名ずつ代表の方が登壇しまして、パネルディスカッションを行いました。
表彰対象であればInspireの入場チケットが無料でもらえたりするので、ぜひ今後日本からも応募して受賞してほしいと思います。
Leveraging Insights and AI to Make Decisions Faster
Speaker:Jay Henderson SVP, Products, Alteyrx
Speaker:Nicole Johnson Manager, Product Management, Alteryx
Speaker:Krishnan Parasuraman Vice President and Head of Global Field CTO, Snowflake
Speaker:Suresh Vittal Chief Product Officer, Alteryx
Speaker:Adam Wilson SVP and General Manager of Alteryx Designer Cloud Platform, Alteryx
Speaker:Lindsey Zibell Director, Product Management, Alteryx
プロダクト・エンジニアリング・リーダーのSuresh Vittal、Jay Henderson、Adam Wilsonが、個人をより深く理解し、企業をより効率的にするための最新のエンタープライズグレードのテクノロジーとイノベーションを発表します。クラウドでの拡張からオンプレミスの生産性の最適化まで、Alteryx Analytics製品およびプラットフォームは、すべてのユーザーレベルに対してノーコード/ローコードソリューションを提供します。チームは、2023年のAlteryx製品戦略を通じて参加者を案内し、容赦ないイノベーションアジェンダとガバナンスへのコミットメントが、爆発的に増加する洞察の需要にペースを合わせるのに役立つ方法を説明します。
Snowflake
キーノートに、SnowflakeのKrishnan Parasuramanさん(VP, Head of Global Field CTO Office)の登壇がありました。改めてAlteryxにとってSnowflakeとのパートナーシップの重要性が強調された形になります。
これは、Designer CloudがSnowflakeのIn-DB(海外だとpushdownという言い方をするみたいです)で動くというところが大きいように思います。これにより、SnowflakeをSQLを使うことなくGUIベースでネイティブ動作させられるというのは非常に大きなポイントです。
2023後半と将来の機能紹介
次に、比較的直近にアップデートされる機能紹介について、Designerの開発リーダーのNicole Johnsonさんから発表がありました。彼女はGrand Prix優勝者で、Alteryx ACEでしたが一年前からAlteryxに入社し、Designerの開発を指揮しています。内容的には以下のとおりです。
- ワークフローテンプレート
- ワイドスクリーン(16:9)のパワーポイントへの出力
- 新しいもしくは拡張されたコネクタ
- その他
Designer、Server(オンプレ版)についてもまだまだ機能拡張期待できそうです。
次に、オンプレ版からクラウド関連の接続、連携についてのスライドがありました。
- DesktopとクラウドをまたぐPlansの統合
- クラウドプラットフォームを使ったワークフローの共有
- 互換性チェッカー
- その他
オンプレとクラウドの統合、というか、連携というところも今後強化されそうな形になりそうですね!
Alteryx CloudのGIS機能「LOCATION INTELLIGENCE」
Desktopにあってクラウドにない機能の一つが空間分析機能でしたが、ようやくおぼろげながらも形が見えてきました。現時点では僅かなスクショ程度しかないので今後の詳細情報を待ちたいと思います。
これで一旦クラウドにもDesignerの機能が一通り実装されることになると思います。
Plans
Plansについては、いわゆるCrewMacroのRunnerツールのような形で様々なワークフローを(CloudのMACHINE LEARNINGのワークフローも含めて)失敗成功の条件で分岐して連続で動かすことができます。これは正直Serverにも追加して欲しい機能です。画面を見ただけではファイル削除機能やSlack通知、そしてHTTPアクセスなどもあるようです。
このあたりの機能(GISやPlans)をもって、ようやくCloudもDesigner並になってきた、という印象になりました。
Day2:25日
Alteryx Product SNEAKS
Speaker:COREY SPENCER VP of Alteryx Platform, Alteryx
SNEAKSでイノベーションを見る準備をしましょう!メインステージでは、プラットフォーム担当副社長のCorey Spencerが、特別ゲストとして共演するReggie Wattsと共に、才能あるAlteryxエンジニアとプロダクトマネージャー、そして彼らが将来に向けて何を夢見ているのかを紹介します。しかし、それだけではありません。優勝者を決定するのはあなたです!私たちのチームが何を作っているのか、そして楽しいイベントに参加することをお見逃しなく。
SNEAKSでは6名の開発者からプレゼンがあり、最終的にTop3を投票で決める、といったイベントになっていました。6個の機能のうち4個はCloud向け機能になっており、Alteryx社もCloudにかなり力を入れていることが伺えます。
- Workflow AutoDoc(Workflow Summary Tool)
- Tool Studio(クラウドでマクロを作れるように!)
- Multiplayer Designer Cloud(リアルタイムで2人で一つのワークフローを共有して編集できる)
- Command Center(Analytics Cloudの使用状況などがわかるようなもの)
- Watchdog(Designer Cloudでイベントドリブンでワークフローを実行可能に)
- Flowetry(Designer Cloud用の機能で、ツールをクリックした際に次にできることを指定するだけでワークフローを作ってくれます。リコメンド&ワークフロー作成エンジン)
結局優勝は、、、まぁ、機能を見る限り「Flowetry」かな、と思ったとおりでした。個人的にはWatchdogをサーバーでも使えるようにしてほしいとか、Multiplayer Designer Cloudはサポートに非常に良い機能だと思いました(ペアプログラミング的にできるのは非常に良いですね)。
From Apprentice to ACE: An Analytics Journey
Speaker:Joshua Burkhow Chief Evangelist, Alteryx
Speaker:Libby Duane Chief Advocacy Officer, Alteryx
Analytics for ALLとは、アナリティクスを初めて担当する方にも、グランプリに挑戦する方にも、それぞれのデータジャーニーに次のステップが用意されていることを意味します。共同創設者のLibby Duane Adamsと、元ACEのエバンジェリストであるJosh Burkhowが登壇し、SparkEDの卒業生、ACEのコミュニティ、そしてその間にあるすべてのものを紹介します。
Certifications
SNEAKSの後はコミュニティの時間です。まず、Certificationsについて言及がありました。Expertから順に起立し、拍手喝采を浴びるといった展開がありましたが、最終的に何かしらの資格をもった方は全員起立し拍手を頂きました。なお、ActiveなExpert保持者は世界でもたったの43名しかいない、ということで私もExpert保持者の端くれとして拍手をいただきました。
※でも、プレゼンの絵は「Cloud」になっているのに今さら気づきました・・・。
New ACEs
そして、New ACEの発表もありました!今年も10名の新ACEが加わりました!これで現時点では57名のACEが全世界にいることになります。
なお、Alteryxの方で詳細アナウンスも出ています「Announcing the New ACEs for 2023! 」
ACEプログラムについて:「ACE Program 」
The Alteryx Experience : The Big Reveal
Speaker:Keith Pearce Chief Marketing Officer, Alteryx
Alteryxのユーザーは、平凡なタスクの加速から主要なビジネスイニシアチブの実現まで、日々問題を解決しています。私たちのユーザーのコミュニティは、情熱的で精通し、企業を正しい方向に押し進めることを熱望しています。それは評価されるべきです!CMOのKeith Pearceは、Alteryxがあなたを祝うエキサイティングな新しい方法と、あなたがこれまでで最もクールな顧客の動きの一部になることができる方法を発表します。
Maveryx
そしてコミュニティの新展開です。コミュニティメンバーに新たに名前がつけられました。その名は「Maveryx」です。テーマイメージは宇宙ですね!
Leveling Up Your Analytic Super Powers
Speaker:Matthew Stauble Chief Customer Officer, Alteryx
当社の最高顧客責任者であるMatthes Staubleは、お客様の成功に貢献することについて、よく理解しています。彼は、お客様が発見したデータの価値を最大化できるように、ツール、リソース、イノベーションを用意しています。アナリティクスのスキルを次のレベルに引き上げると同時に、あなたが関わるすべての人があなたの洞察の価値を理解できるように、あなた自身のリーダーシップに活用できるいくつかの戦略を紹介します。
Maveryxを記念して、キーノートの最後にカウントダウンがありました。
Maveryx記念なのか、SWAGストア(Alteryxグッズストア)「Alteryx Swag Store 」もオンラインでリニューアル?しまして、グッズを買えるようになっています(現地会場では、パーカーなどが割引で販売されていました)。ちなみに、私もパーカー買いました!コミュニティのイベントなどあれば着ていきたいと思います。
また、Maveryxについての説明のブログ「The Maveryx Mission: The Call to Lead Together 」も公開されています。
その他
私事ですが、ACEは一番良い席が用意されておりまして、大変快適にキーノートを聞くことができました。
Inspire on tour
今年はEMEAのInspireがなくなり、アメリカ以外はすべてInspire on tourという1日のイベントになりました。開催場所は・・・
- Sydney
- London
- Tokyo
- Amsterdam
の4箇所の予定です。
はい、とうとう今年は初のInspireが東京で7/20に開催されます。みなさま2023/7/20に東京で会いましょう!
まとめ
個人的な所感になりますが、今回のキーノートを聞いていて以下のような形に思いました。
- クラウドを非常に重視(機能追加、Snowflakeとの連携などからも読み取れます)。ようやくAnalytics Cloudの全貌が見えてきた。
- とはいえ、Designer Desktopにも力を入れています!クラウド連携も進めます。
- Generative AIに力を入れます!(AiDIN)
- もちろんコミュニティ重視。
来年どこでどのように開催されるかは特に発表されていませんが、まずは今年のInspire on tour4箇所を楽しみにしましょう!(東京は幸いにも幸運な場所の一つに入っています!)
Written by Alteryx ACE Akimasa Kajitani