【AutoInsights】Missionsの相関分析レポートについて

Alteryx Auto InsightsのMissionsの相関分析レポート(Correlation Analytics Report)についてご説明いたします

 

Alteryx Auto Insightsを理解するシリーズその3です。その2ではMissionsの概要と相関分析レポート以外について解説しています。

 

Missionsは、データセット内の分析情報を見つけ、探索し、インサイトを得るための機能ですが、前回ご説明したとおり4つのMagic Missionsにより簡単にレポートを作成することができます。前回はそのうちの2つをご紹介しましたので、今回は残りの2つのうちの一つ、「Correlation Analytics Report」(相関分析レポート)についてご紹介いたします。

 

Correlation Analytics Report(相関分析レポート)とは?

4つあるマジックミッションのうち相関分析レポートは、2つのメジャー(KPI)を使ってそれらの相関を分析するものです。

マジックミッションのメニューで「Correlation Analysis Report」を選択すると、以下のようにメジャー(KPI)を2つ選択するようなポップアップメニューが出現します。

 

Google翻訳で日本語に翻訳してみましょう。

 

特徴的なのは、異なるデータセットのメジャーも選択できることです。もちろん粒度などをあわせないと正確なレポートは出てきませんが、粒度さえ合えば異なるデータソース間でも相関分析を行うことができる、ということです。さて、サンプルのレポートでは、「Sample Data: Sales Analysis」の「Clicks」「Revenue」を選択しているので、同じように作ってみましょう。

 

Missionsの一機能ですので、基本的な画面構成は他のマジックミッションで作成したレポートと同じです。では、レポートを細かく見ていきましょう。

 

Missionsで作成された相関分析(Correlation Analysis)レポートを読み解く

まずはMissionサマリーのレポートを見ていきましょう。レポートサマリーでは最初に選択したメジャー(KPI)の相関に関わる全体的なレポートと、深堀りしたレポートが続きます。深堀り部分については、Countryというセグメントに対してのレポートと、さらにそれを各国に絞って見ていくようなレポートが続いていくといった構成になっています。

全体の比較

最初は、2つのメジャー(KPI(RevenueとClicks))に関するレポートです。

 

Google翻訳で翻訳してみましょう。他のマジックミッションで作成したレポートに比べると英語の部分が多いので翻訳を使った方が理解が早いかと思います。

 

このレポートでは、クリック数(Click)と収益(Revenue)の相関を見ています。今回は両方とも同じような動き(増減)をしているため相関が強いように見えます。

左上の説明文のところでは、2つのメジャー(KPI)に対して両方に影響を与えているセグメント内の項目を取り上げてくれています(ここでは、企業規模という項目内のEnterpriseとLarge Enterpriseの影響が大きい、と記載されていますね!)。

また、「クリック数が1 回 増加するごとに、収益は12.18 ドル増加し、2022年 10 月( 10.91 ドル)より11.64%増加します。」と記載されているように、Click数ごとの収益の変化量が記載されています。

 

あるセグメントについての深堀り

続いては、Countryというセグメントに対してのレポートが続きます。これは、自動的に選択されたもので、全体レポートではKiribatiとArubaで大きな減少があったと記載されていました。何らかの基準でAIがCountryというセグメントを選択したのだと思いますが、理由は記載されていません。ただ、減少が大きかったのが国別で確認できているので、そのあたりの理由で選択されている可能性はあるかもしれません。

まず、レポートを見てみましょう。

 

こちらも翻訳してみましょう。

 

ここでは、それぞれの国ごとのクリック数について言及されています。平均より大きい国、全体の傾向などに言及されています(ここは相関分析ではないですね)。次のページ以降は、「これらは、次のページで相関分析を実行するために使用されます」とあるように、ここで言及されたものを中心に相関分析のレポートが作成されています。

 

フォーカスレポート

ここからは前段のレポートのクリック数上位三カ国について同じ項目でレポートが生成されています。最初は一番クリック数の多い「Guinea-Bissau」です。

 

翻訳してみましょう。

 

レポートによると、Guinea-Bissauはクリック数も収益も落ちています。この要因について記載されています。翻訳がうまくいっていないので原文を見てみましょう。

まず最初は、「Revenue decreased 7.15x faster than Clicks as a result of Pharmaceuticals (research), Peripherals repair retail and 3 others in Industry L2.」とのことですが、個別に翻訳にかけてみると、「医薬品(研究)、周辺機器修理小売、および業界 L2 のその他 3 社の影響で、収益はクリック数よりも 7.15 倍速く減少しました。」という内容です。つまり、影響している要因と収益とクリック数の関係が記載されています。

さらに、両方に最も影響のあったのは「企業規模の大きい企業」という結果が出ています。

また、クリック数1あたりで収益がどうなるか、ここでは3.99ドル変化する、とあります。さらにこれが比較年月と比べてどれくらい減ったか(ここでは約30%減っていることがわかります)ということまで言及されています。

 

概要部分のレポートまとめ

概要のレポート(Mission サマリー)としては、以上のような形なっています。

基本的には選択した2つのメジャー(KPI)に対して何が最も影響を与えているか、また、大きな変化があったところに対して何が要因なのか、どれくらい変化しているのか、片方のKPIが1変化すると他方はどれくらい変化するのか、などが分析されています。

概要ではなく個別のレポートを見ていくとさらに深い分析が行われています。

 

個別のレポートについて

次に、一番初段にあった2つのメジャー(KPI(RevenueとClicks))に関するレポートの詳細レポートを見てみましょう。詳細レポートの一番上にはクエリのカスタマイズができるようになっているため、ここでフィルターをかけたりBreakdownを入れて複数の対象を比較するなどができるようになっています。ここでは特に変更せずにレポートを見てみましょう。

 

ここまでは、先ほどご紹介した内容と同じです。ここからは相関分析ならではのレポートになっています。

 

翻訳してみましょう。

 

詳細レポートでは、クリック数と収益の関連性について主に言及されています。ここではクリック数1あたりに収益がどう変化するか、というところに着目されています。特に、クリック数1回で収益が10.91ドル出る、というところを計算し、推定以上に増加している、というコメントが得られているのも興味深いポイントです。また、ピアソン相関も出しており、かなり強い相関がある、ということがわかります。

 

ここからは、前回のMissionsのレポートと同様の内容になりますが、まずClicksとRevenueの増加について記載された内容です。

 

翻訳すると以下の通りです。

 

2つのメジャー(KPI)両方に大きく増えている内容について書かれています。ここでは企業規模と関連性があげられています。

次のセクションではこの逆で、減っている内容について書かれています。

 

これも翻訳してみましょう。

 

2つの国の影響で大きく減少しているようです。

 

これも翻訳してみます。

 

上の方(「What's new or returning for Clicks and Revenue?」)は、翻訳がおかしいですが、ClicksとRevenueのKPIに対して、新しく出現したもの、前あったが一度なくなってまた復活したもの、が表示されています。これに該当する国としてはいくつかあるようです。下側(「What's lost for Clicks and Revenue?」)は、過去にあったのに最新の期間ではなくなったもの、になります。

実は相関の部分以外は前回のMissionsで出てきたレポートと同じです。

なお、他の2カ国についても同じようなレポートが今回は生成されていますが、内容的に似たりよったりなので割愛いたします。

 

まとめ

「Missions」の「Correlation Analytics Report」(相関分析レポート)で生成されるPageについてご紹介しました。MissionsはAuto Insightsの分析結果を読み解くメインの画面ですが、その中でも今回は相関分析レポートを読み解いています。前回の記事とは異なる部分、共通の部分などもありますので、前回の記事も併せてお読みいただければと思います。

なお、相関分析レポートで確認できるのは以下のような項目です。

  • KPIの推移
  • KPIの変化に対して主要因となる項目の各セグメント内での占有率
  • 変化の主要因となる項目
  • 2つのメジャー(KPI)の関連性
  • 増加/減少の推定値
  • ピアソン相関の値(どれくらい相関があるか)
  • 以下の変化、傾向が確認できます
    • Largest increases(増加が大きいもの)
    • Largest % increase(増加の割合が大きいもの)
    • Largest Decreases(減少が大きいもの)
    • Largest % decreases(減少の割合が大きいもの)
    • Outliner(外れ値)
    • Top(Largest Sizeは値自体が一番大きいもの)
    • 80/20の法則のHead(占める割合の大きいもの)、Tail(割合の少ないもの)
    • New(新規アイテム)、Lost(消失アイテム)、Returning(再び現れたアイテム)

Auto Insightsにより、変化の主要因から、全体的な傾向まで幅広い内容を理解することが可能ですが、特に2つのメジャーの関連性についての理解が進むのが「Correlation Analytics Report」(相関分析レポート)となります。

 

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