【新機能紹介】Alteryx Designer 2023.1

新機能紹介シリーズ Alteryx Designer 2023.1

2023年5月17日にAlteryxDesignerの2023.1バージョンがリリースされました。

半年ぶりのアップデートである今回の目玉は、「コントロールコンテナ」です。今まで様々に工夫をしてツールの実行順序を制御してきましたが、コントロールコンテナがあればもう大丈夫です。

 

Designer 2023.1 リリースノート 

詳細について紹介していきます。

バージョンアップ概要

  • Cloud Execution for Desktop(Patch 1で追加)
  • コントロールコンテナ
  • 新フォーミュラ関数
  • 高精度の日付・時刻
  • インテリジェンススイートアップデート
    • インストーラーの更新
    • 新規ツール
      • テキスト分類ツール
    • ツールアップデート
      • 画像処理ツールのエンハンスステップ
      • 画像処理ツールのアライメントステップ
      • アノテーションをすべてのページに適用
  • その他機能バージョンアップ
    • データ出力ツール「SQL WCharサポートの強制」
    • レンダリングツール「データ切り捨ての修正」
    • フィールド名の大文字と小文字変更の更新
  • コネクタ追加・更新
    • DCMの既定オプション
    • Microsoft Accessサポート
    • Denodoサポート
    • SAP HanaのOkta認証サポート
    • AWS Secrets Manager
  • ダークモード(ベータ版)
  • サポート終了
    • 32ビット接続の延長サポート期間終了
  • おまけ

      バージョンアップ 個別解説

      Cloud Execution for Desktop(Patch1~)

      Alteryx Analytics Cloud Platform(AACP)上でDesigner Desktopのワークフローを実行する環境が、2023.1 Patch1以降のDesignerで利用できるようになりました。これは、一種のAlteryx Serverがクラウドに設置されているようなものとなっています。通常のサーバーやDesktop環境に比べるといくつか制限もありますので、ご注意ください。詳細はAlteryx社のブログやHelpをご覧ください。

      なお、利用にはAACPおよびCloud Execution for Desktopの契約が必要となるようです。

       

      Alteryx社Help「Cloud Execution for Desktop

      Alteryx社による紹介ブログ「Introducing Alteryx Cloud Execution for Desktop 」(英語)

      Alteryx Communityでの紹介ブログ「Cloud Execution for Desktop 」(英語)

      Alteyrx社 Interactive Lesson「Introduction to Cloud Execution for Desktop 」(英語)

      ※2023/09/20追記

       

      コントロールコンテナ

      待望の機能「コントロールコンテナ」が実装されました。コントロールコンテナは「開発者」カテゴリに格納されています。なお、本ツールはAMP Engineオンの状態のみで動作します。

      例えば、同じExcelファイルに書き込もうとすると、以下のようにエラーが出て書き込みできません(このような場合、実際には「完了までブロックツール」を使います)。

      これをコントロールコンテナで実装すると、以下のようになります。

      データの流れるライン以外に、コントロール用のラインを接続することで動作の順番をコントロールするようになっています。

      ちなみに、AMP Engineオフだと以下のようなエラーが出ます。

       

      新フォーミュラ関数およびアップデート

      以下の関数が実装されました。

      • 数学カテゴリ
        • AverageNonNull :Null以外で平均:AverageNonNull(n1, ...)
        • Factorial:階乗を計算する:Factorial(x)
      • 変換カテゴリ
        • ToRadians:ラジアンに変換:ToRadians(x)
        • ToDegrees:度に変換:ToDegrees(x)
      • 最大/最小カテゴリ
        • Between :2つの指定値以内にあるかどうか判定:Between(x, min, max)

      また、以下関数にオプションが追加されました。

      • Ceil、Floor:指定数値の倍数への丸め込みパラメーターが追加:CEIL(x,[MULTI])、FLOOR(x,[MULTI])

       

      高精度の日付・時刻

      日時型、時刻型に追加の精度が指定できるようになりました(これまでは、秒が最小精度でした)。ミリ秒、マイクロ秒、ナノ秒などの設定が可能です。これにより、以下の機能追加が入っています。

      • セレクトツールにて、時刻精度の調整機能が追加
      • 日時ツールにて、fパラメータが追加
      • DateTimeFormat、DateTimeParse関数に、%1~%18の精度指定が可能に
      • DateTimeAdd、DateTimeDiff、DateTimeFormat、DateTimeNow、DateTimeParse、DateTimeSecondsで高精度の時刻を扱う事ができるようになりました
      • 高精度の時刻を取得するDateTimeNowPreciseが追加

       

      インテリジェンススイートアップデート

      今回も、新ツールの追加、機能追加が行われています。

      インストーラーの更新

      更新されたインストーラーにより、OSの言語から該当する言語の製品をインストールするようになりました。

      新規ツール

      テキストマイニングカテゴリーに「テキスト分類」ツールが追加されました。

      2023.1:(新バージョン)

      2022.3:(旧バージョン)

       

       

      テキスト分類

      以前もZero-Shotテキスト分類ツールという教師データなしの学習しないタイプのテキスト分類のツールがありましたが、今回は教師データありのトレーニングするタイプのテキスト分類ツールが追加されました。

      以下のようなオプションとなっています。

       

      アップデート

      アップデートは、コンピュタービジョンカテゴリのツールで行われています。

      PDFからテキストツール

      「すべてのページに画像テンプレートの最初のページのアノテーションを適用」オプションが追加となりました。

       

      テキストへ変換

      テキストへ変換

      「すべてのページに画像テンプレートの最初のページのアノテーションを適用」オプションが追加となりました。

       

      画像処理ツール

      画像処理ツールに「エンハンス」機能が追加されました。スキャンした画像の解像度を向上させますが、これによりOCR機能などの結果が改善できます。

      2022.3:(新バージョン)

      2022.1:(旧バージョン)

       

      その他機能バージョンアップ

      その他の機能についてご紹介していきます。

      データ出力ツール「SQL WCharサポートの強制」

      OracleデータベースのOCI接続のデータ出力ツールにて、SQL WCharサポートを強制するオプションが追加されました。このオプションにより、すべてのChar型のフィールドをWString型に出力し、マルチバイト文字を処理するように矯正することが可能です。

      レンダリングツール「データ切り捨ての修正」

      レンダリングツールにて、PDFに大きなサイズのページを出力しようとした際、文字列が切り捨てられるような場合にエラーメッセージが表示されるようになりました。

       

      フィールド名の大文字と小文字変更の更新

      ワークフローを作成する際、フィールドの大文字を小文字に変更したような際、下流のツールにて意図しない動作をしているケースがあったかと思いますが、これが改善されています。

      ただし、マクロ、ポップアップ構成ダイアログを使用するツール(インサイトやインタラクティブチャート)には影響しません。また、ワークフロー自体はフィールド名は大文字も小文字も区別しないため、処理の内容は変わりません。

       

      コネクタ追加・更新

      コネクタ関係です。

      DCMの既定オプション

      データ入力ツール・データ出力ツールにて、DCMが既定オプションとなりました。

      「データ接続マネージャー(DCM)の使用」にチェックが入っていると、ファイル選択メニューが利用できないので、ファイル接続などこれまで通り使用したいときはチェックを外してください。

       

      Microsoft Accessサポート

      今まで、Accessなどへの接続は、従来「Microsoft Access 2013 Runtime」などを利用して接続してきましたが、今回からは新しいドライバを利用可能になりました。

      「MS Access 2016 Runtime」および「MS Access 365 Runtime」に対応した、とのことです。

       

      Denodoサポート

      Alteryxは、Denodoプラットフォーム接続に対応しました。標準的なワークフロー処理ツールと、インデータベースのワークフロー処理ツールを使用して、データの読み取りと書き込みを行うことができます。詳細については、「Denodo 」でご確認ください。

      Designer 2023.1リリースノート

       

      SAP HanaのOkta認証サポート

      2023.1リリースでは、SAP Hana向けにOkta認証のサポート、シングルサインオン(SSO)が導入されました。これにより、OktaアカウントでSAP Hana Cloudの認証が可能になりました。

      Designer 2023.1リリースノート

       

      AWS Secrets Manager

      DCMをAWS Secrets Managerインスタンスに接続し、AWS Secrets Managerから認証データを取得してワークフローに利用できるようになりました。AWS Secrets Managerの設定方法については、「AWS Secrets Managerの設定 」を参照してください。

      Designer 2023.1リリースノート

       

      ダークモード(ベータ版)

      2022.1でUIが一新されましたが、まぶしすぎたからか、ダークモードが追加されました。

      Designer Darkmode

      [オプション]-[ユーザー設定]-[ユーザー設定の編集]の「カスタマイズ」タブにて切り替えが可能です。

      現時点では、ベータ版ということでご了承下さい。

      32ビット接続の延長サポート期間終了

      データベースへの32bit接続のサポートが終了しました。

      Alteryxバージョン2021.2のリリース日から2年間(「延長サポート期間」)、Alteryxは32ビット接続のカスタマーテクニカルサポートを提供してきました。現在32ビット接続を使用している場合、エラーメッセージが表示され、それらの接続を使用することができなくなります。詳細については、「32ビットデータベース接続のサポート終了に関するFAQ 」に移動してご確認ください。

      Designer 2023.1リリースノート

       

      おまけ

      以前、Ideasで投稿していた内容 ですが、日時ツールにて「yyyy/MM/dd」形式がプリセットとして追加されました。

       

      ※Alteryx Designer 2023.1.1.123時点の情報です

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      製品に対する操作方法、技術的な質問などは導入前・導入後に関わらずメールにてお答えします。また、Alteryxを用いた環境構築、開発、ヘルプデスク対応、ハンズオン、トレーニング、ワークフロー作成なども承りますので、お気軽にご相談ください。

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