
イベント「Live Spotlight: Meet Your New BI A-Team」についてご紹介いたします
本ブログ記事は、2025/12/11 AM1:00(JST)に行われたThoughtSpot社のウェビナー「Live Spotlight: Meet Your New BI A-Team」に関するレポートです。実はThoughtSpot社はこのような新製品・新機能発表会を行っていることがあります。
本イベントの録画はYoutubeでも見ることができますので、よろしければご覧ください。
今回は、ThoughtSpotの今後の大きなアップデートのうちAIに関する機能強化についてプレゼンが行われています。
概要
今回の発表によると、Spotterを中心としたAI機能として、エージェント機能が追加され、以下のような構成となる、と発表がありました。

SpotterModel・・・モデリング作成エージェント
SpotterViz・・・ダッシュボード作成エージェント
SpotterCode・・・コーディングエージェント(データアプリ作成)
Spotter・・・自然言語でデータから答えを得る(特にSpotter 3と呼ばれています)
ちなみに、それぞれ、キャラクター的なものが設定されているようです。
SpotterModel:

SpotterViz:

SpotterCode:

それぞれ少し詳細に掘り下げたいと思います。
SpotterModel
以下デモの内容です。モデル作成の画面の右端に、チャットウィンドウが現れるのですが、これがSpotterModelです。キャラクターはフクロウみたいです。

よく見ると、ガイド付きとCustomプロンプトと2種類の質問方法がありそうです。
最初にビジネスの質問を行います。すると、FACTテーブルを見つけてくれます。

ここで、いくつかのFACTテーブルを選択肢、「Add to canvas」します。
次に、何をしたいか?ということで進めていきますが、候補から選択することもできますし、自然言語で質問もできます。

これはディメンションテーブルを探そうとしている質問です。選択式の質問の「Find Supporting Tables」と同じような趣旨にも見えますが・・・?

今度はディメンションテーブルをここで選択できるようです。必要なものをAdd to Canvasします。これで、欲しいものが揃ったので、「Create Joins」します。

Create Joinsすると、結合方法を提示してくれるので、あとは選択するだけです。この結合という作業はなかなかやっかいで、結合するテーブルを見つけ、結合方向を把握し、カーディナリティ(1対多、多対1?)を理解する必要があります。しかし、SpotterModelは自動的に決めてくれます。

見事にスタースキーマができました。見にくいので、配置し直したものが以下のものとなります。

次に、カラムの選択です。

大量のカラムが出てきます。Add to Canvasします。

これでモデルができあがりです。

ここからは私の感想になりますが、今のところ、他のセルフサービスBIではここまで手軽にできるものはないように思います。
特殊なデータを持っている場合、どこまでカバー可能なのか、というのは気になるポイントではありますが、一般的なユースケースで利用可能であれば実用性はあるのではないかと思います。データエンジニア的にはこれでできないものをサポートしていく必要があるということで、腕を磨いていないといけないですね・・・。
SpotterViz
ライブボード作成画面の右上に見慣れぬボタンがあります。

ボタンをクリックすると、SpotterVizのチャットウィンドウが立ち上がります。キャラクターはヒョウかチーターですかね?

以下のようにここで質問しています。(ホストマネージャーがレビューと評価に基づいてリスティングのパフォーマンスを確認し、どの物件のパフォーマンスが優れているかを分析できるように、このライブボードを作成してください。ロケーション、部屋タイプ、ホストの質などの要素で分析します。)



完成しました!

赤色基調に変えてくれ、というとちゃんと変えてくれます。

地理情報を使って何かできないか、と追加で尋ねています。

できました!

こうなってくると素人でもできちゃいますね・・・。ビジネスの質問を的確に考えることができるかどうか、ということがポイントになってきます。BIダッシュボードの作成スキルの必要性が薄まってきますね。
SpotterCode
以下は、ローカルに構築中のWEBサイトです。これを作るために使っているのはCusorのようです。
※Cursor(VS Codeをフォークして作られたIDE)

SpotterCodeはMCP Serverとして動いているようで、MCP Serverに設定を追加する必要があります。

今回は、既存のサイトに2つのボタンを追加したい、という指示をしています。1つは「アナリティクス」もう一つは「SpotStay」です。

あっというまにできました・・・。確かに「Analytics」「SpotStay AI」という2つのページが追加されました。

こちらはAIのページです。

追加の質問です。既存のウェブサイト同じような色合いにしてくれ、と頼んでいます。

可能な領域に対して色合いなどが既存のウェブサイトと統一化されました。


Spotter 3
次は本命のSpotter3です。ポイントは以下の3つ。
- アナリストのように考える
- 構造化データ+非構造化データ
- 無限大のセルフサービス分析
さて、Spotterでこのような質問をしています「Airbnbオーナーが夏に向けて準備を整え、高い評価と稼働率を確保できるようサポートしたいと思っています。このデータについてどのような質問をすればよいでしょうか?」


色々な観点から、だいたい今回は9個のカテゴリでそれぞれ5個程度の質問をあげてくれました。これをSpotterがまとめると、次のステップとして以下のようなことをした方が良い、と推奨してくれました。

上の日本語訳です。
推奨される開始点 まず、以下の分析から始めることをお勧めします。
1. すべての評価項目における現在のパフォーマンス基準
2. 卓越性を理解するためのトップパフォーマーのベンチマーク
3. 過去のデータから得た夏の季節パターン
4. 即時の改善機会を特定するためのゲストのフィードバックテーマ
これらの特定の領域のいずれかを最初に詳しく調査しますか? データを分析して、Airbnbオーナーの皆様に具体的な洞察と実用的な推奨事項を提供できます。
ここで、以下のように追加の質問をしています。
地域別およびホストタイプ別のリスティングの分布はどうなっているか、どの地域の稼働率が最も高いか

スクロールするとグラフが現れます。

さらにこの結果を用いてサマリーが作成されています。

さらに戦略も考えてくれました。

さらに次の推奨事項(一番下のNext Stepです)も提案してくれます。

さらに次のような質問をしました。
Bourse のアメニティと評価の相関関係を計算してください。
これは実は高度な内容で、PythonでCodeを作成する必要があります。途中の過程として、以下のようにデータを取得し、コードを書き、結果を出す、ということをやってくれます。

最終的には得られたコードで、以下のように「Correlation」という項目とともにサマリーができあがりました。

これらをさらにサマリーし、以下のような最初の答えに対する現時点の回答ができています。


これに対してさらに追加の質問をしています。
パリのブルス地区で開催されるイベントやフェスティバルを検索し、その期間の料金や占有率を計画して、正確に把握できるようにします。

ちゃんとこれにも答えてくれますが、実はWEB検索をしてくれています。

これらのデータを使って実際に何をすればよいかも提示してくれています。

途中で得られたグラフなどは、ThoughtSpotで作成されたものなので、そのままピン留めしてライブボードに追加することが可能な点も見逃せませんね!
Spotter3については、だいたい以下のような感じでしょうか?
- 高度な分析ができるようになった
- 1ターンの一発ものの分析だけではなく、得られた結果をもとに考察を行いさらにどのような分析を行うべきか、という示唆が得られ、それを実行できる
- 得られたデータを元にPythonコードを書かせ、予測や相関分析などさらに高度な分析が可能になった
- WEB検索した結果や非構造化データを分析に含めることができる
- MCPクライアントの機能を持っており、MCPサーバーに問い合わせができ、得られた情報を分析結果に反映できる
まとめ
- AIエージェントにより、モデリング、組み込み開発、ライブボードの作成作業が大幅に自動化することができ、楽になります
- 特にモデリングは大変なので、この作業が楽になるのはうれしいポイント
- Spotter3ではPythonコードも内部的に扱ってくれ、WEB検索もしてくれるので、ClaudeやGeminiなどと比べても遜色なくなってきています
- これまでAIエージェントの扱いに詳しい人しかできなかったことが、ThoughtSpotという環境でできるようになったのは、セルフサービス分析の大きな助けとなると思います(Claude Desktopを入れてBIのMCPサーバーをセットして、、、ということをしている人が果たしてどれくらいいるのでしょうか・・・というものが改善されています)
- 多様なことができるようになりましたが、逆にこれらを活用するためにはデータが必要です。今持っていないデータをどうやって集めるか、どうデータを収集し、加工するかといったデータ集約の課題というのは改めて重要性が高くなっています。
- 早く使ってみたいですね!
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