【AutoInsights】Alteryx Auto Insightsとはどのようなものかご説明いたします
昨今、生成AIや大規模言語モデルと言ったものが急速に発展、活用されてきており、データ分析・BIの世界でも活用が盛んになってきました。「Alteryx Auto Insights」はAIを最大限活用し、データからインサイトを得ることを効率的に行うことができるサービスです。
「Alteryx Auto Insights」は、一見するとBIツールのように見えますが、ダッシュボードを作成したり、グラフを作成したりといったデータの可視化をメイン機能に据えたものではありません。あくまでAIのチカラでデータからインサイトを得ることを主目的としたサービスです。ですので、各KPI(指標)の動きをまとめたダッシュボードが必要であれば、それは既存のBIツールで実現することになります(つまり既存のBIツールを置き換えるものではなく、併用することになります)。
Alteryx Auto Insightsができることをわかりやすくまとめると・・・
「Alteryx Auto Insights」は、AIを使ってデータを分析し、指標に対して何が影響を与えているかといった変化の要因の特定、それが占める割合を整理して提示、複数指標の関連性(相関)の発見などが可能です。これにより、例えば毎月のレポートの作成を高速化することができ、ダッシュボードを作ることなく、データによるストーリの作成を支援してくれます。
また、断片的な比較データを、大規模自然言語モデルを用いることで、わかりやすく自然言語で説明してくれます。もちろん、AIの利用にコードを書く必要はありません。
さらに、お持ちのデータを読み込ませることで、生成AIが分析のシナリオおよびユースケースを自動的に考えてくれるような機能も持っています。さらには実際のデータがなくとも、データ構造から中身のデータ、分析シナリオ、ユースケースを作ることが可能です。
ビジネスの速度を増すために手助けとなる新たなデータ分析アシスタントツールが「Alteryx Auto Insights」です。
Alteryx Auto Insightsを使って知ることができること
「Alteryx Auto Insights」では、以下の情報を知ることができます。
- 経年変化:この指標は前期と比較してどうか?
- ドリルダウン:この指標に影響を与える関連セグメントは何か?
- ズームアウト:この指標の全体像は?
- コントラスト:このデータポイントは、指標の分布と比較してどうか?
- 交差点:この区分された指標の経年変化は、類似の指標と比較してどうか?
- 要因:このセグメントはメトリック全体の何パーセントを占めているか?
- 異常値:このデータの残りの部分と著しく異なるデータポイントはあるか?
ここでの「指標」は、いわゆるKPI、例えば「売上」「経費」などのキーとなる数値データのことです。
これだけだとイメージがなかなか湧かないと思いますので、実際のレポートを見てみましょう。これからご紹介するのは経費データの部門比較を行っているレポートの一部です(データは架空のデータです)。
UIが英語なので、翻訳機能で日本語に変換してみましょう。
非常にわかりやすくなったかと思います(そのうちUIは日本語化される予定です)。
例えば、Auto Insightsで知ることができることの最初にあった①の経年変化は一番最初に提示されています。
次に、③ズームアウト、⑥要因、⑦異常値が表示されています。
例えば、新しく出てきた項目や、なくなった項目、復活した項目はNew、Lost、Returningといった形で表示されます。
また、順番は前後しますが、最初のサマリーとしては以下のようなものが表示されます。経費の推移とどのようなことが起きているか、を自然言語で説明してくれています。
このグラフの続きは以下のとおりです。
各セグメント(項目)で大きな要因となったアイテムがリストアップされています。(瞬間IDというのはトランザクションIDの誤訳ですね・・・Google翻訳がちょくちょく誤訳します・・・)。
さらに、「合計はどのように分配されましたか?」というタブをクリックすると、以下のように影響が大きかった項目が占める割合を確認することができます。
データを食わせるだけでここまで表示してくれれば、あとはどのような背景でこのようになっているのか、ということを各担当に聞くなりしていけば良い、ということになります。単にダッシュボードを作っておくところから一歩先に踏み出すことができる、というのが本ツールの良いところです。
Alteryx Auto Insightsの技術
「Alteryx Auto Insights」はこれまでにお見せしたような内容を、以下の分析手法を用いて実現しています。
- 傾向分析・・・データのパターンを特定する
- 根本原因分析・・・最も可能性の高い根本原因を説明できる要因を特定
- 外れ値検知・・・異常値をあぶり出す
- 共通要因分析・・・2つの指標に対してその関係性を調べます
また、Alteryx Auto Insightsは、ここまでにお見せしたレポートの内容を、大規模言語モデルを用いて言語化することで、さらに以下のようなことが可能となっています。
Magic Documents
Alteryx Auto Insightsでは、大規模言語モデルを使うことで、自動的に言語化したレポートを作ることができます。この機能が「Magic Documents」です。これは、報告先の方の役職、メディア(プレゼンテーション、メール、メッセージ)を選択することで適したレポートを作成してくれます。
Magic Documentsを使う前に、Missionsにてレポートを作成しておく必要があります。つまり、Magic DocumentsはMissionsで作成したレポートを元に、大規模言語モデルが内容を解釈し、言語化します。実際のMagic Documentsを使ったレポート作成の画面を見てみましょう。
Magic Documensの使いかた
Magic Documentのメニューにて、「New Document」ボタンをクリックすると、以下のようにメディア(Presentation、Email、Message)と報告先の方、言語を選択するような画面が出ます。
上の例では、「Presentation」「CEO」「Japanese」を選択した状態です。「audience」については日本語も可能です。ここで一番下の「Generate」ボタンをクリックすると実際の報告書が作成されます。
Presentation
まず、プレゼンテーションを見てみましょう。この場合PowerPoint形式でダウンロードすることもできますが、以下のように概要的に確認することができます。
基本的には、グラフと主要な変化項目が箇条書きにされたレポートができてきます。
Message
Messageの場合は、最近よく使われているメッセージによるコミュニケーションツールをイメージしたものになっています。いわゆるSlackなどのメッセージングツールですね。
右上のCopyTextで簡単にクリップボードに貼り付けができるので、お使いのメッセージングツールですぐに送信することができます。
メールの場合は、タイトル付きの文章になっています。
メッセージと何が違うのか?と思いきや、確かにメール向きの文章になっているように思います。メッセージのほうがより簡潔でしたが、もう少し長めの文章になっています。
いずれにしても、AIは各企業内で起きているバックグラウンドについては何も知らず、あくまでデータから類推できることのみで文章が作成されています。そのため、データのみであればそれっぽい文章ができあがっていますが、その組織の状況にあてはめたときに、若干トンチンカンなことが書かれてしまうこともあります。そのような際は、ちゃんとわかっている方が見て、手直しするという必要があります。ただ、抑えるべきポイントというのをAIのチカラで抑えてくれるので、それに肉付けしたり、修正したり、といったことだけであればそれほど大きな時間は取られないのではないでしょうか?
うまく使えば、毎月・毎週・毎日のレポートの大きな効率化につながるツールです!実際にトライアルなどでその威力をお試しいただければと思います。
まとめ
「Alteryx Auto Insights」でできることの概要をご説明しました。
やはりこのようなツールはみなさんご自身のデータを使わないとなかなか便利さが実感できないかと思います、AutoInsightsのトライアルは無料で可能ですので、ぜひお試しください。こちら からお願いいたします。使い方がよくわからないといった場合はぜひ弊社にご相談ください(お問い合わせの際の製品名は「Alteryx」でお願いいたします)。
関連記事(Auto Insightsを知る)